裸足の記憶

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    先日、我が家に来た姉が

    「ここの床板ってサラッとしてるよなぁ。

    うちのフローリング、拭いても拭いてもなんかベタベタするねん。

    ここみたいに気持ちよくなくって、何が違うの?」とのたまった。

     

    とうとうこの日が来たか・・・
    うちの床をクルミの無垢板に張り替えて8年半。
    身内の介護の手伝いに、ここ半年ほどよく来てくれる姉がようやく、うちの足触り・手触りに気が付いた。

     

    うちの身内では私以外の人間は、木の感触はもちろん、素材や空間のよさというものに、ほとんど関心がない。

    しかし、足の裏は覚えているのだ。
    手のひらと裸足の感覚は正直だ。
    姉は素足でうちを歩く機会が増えて、本人よりも先に足が気付いたのだ。

     

     

     

     

    裸足の記憶。
    私に濃い記憶を残したのは地中美術館のモザイク状の大理石の床だ。

     

    確か薄暗い雨の日。
    平日で人は少なく、モネの部屋で私以外に人はいたのだろうか?

     

    与えられたスリッパを脱いで裸足で歩いたり、座って床の手触りを確かめたり、細かい粒々の石の触感が心地よく。

    何かプライベートの空間に入り込んだような、部屋でモネと空間と親密になったような、

    なぜか空間と「ふたりきり」のような不思議な感覚であった。

     

    (直島は曇天の平日のひとり旅、人のいない時に心ゆくまで作品を味わうのがふさわしい。

    特に南寺は雨の日にひとりきりがよい。)

     

     

     

     

    地中美術館の大理石の足触りは鮮烈すぎて、毎日暮らす住まいにはふさわしくない。
    (家の一部だけなら有り得るかもしれないが。)

     

    家の足触りは、もっとさりげなく、そして心地よく、

    毎日触れても飽きのこない、柔らかすぎず固すぎず、使い込めばさらに味わいの出る素材がよい。

     

    私は複合フローリングやビニール床シートやウレタン塗装のベタベタ・ペタペタした足触りが苦手だ。

    裸足でそこを歩くときにはゾワゾワ気持ち悪くて、どうしても指が浮いてしまう。
    足裏全部を床につけることができない。

     

    逆に無垢の板や素焼きのタイルや石や左官などのサラッとした素材なら、スリッパをはくより断然、裸足がいい。

     

    姉は50代でそれに気が付いた。
    足の裏は正直だ。

     

     

     

     


    ハーフユニットと木のお風呂いろいろ

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      ツキノオトの設計で一番多い浴室は、ハーフユニットと木のお風呂です。
      腰から上は温かみのある板を張り、腰から下はお掃除が楽で防水がしっかりしていて水切れもいいハーフユニットバスを組合せるパターンを多く採用しています。

      板をユニットぎりぎりまで張らずに、よく水がかかるところにはタイルや石や浴室用パネルなど水に強い材料を貼って、板の小口から水気を吸わないようにしています。

      あとはとにかく換気、乾燥です。
      24時間換気と開閉しやすい窓は必須、時には浴室乾燥機も入れますが、とにかく換気を欠かさなければ大丈夫です。

       

       

       


      1.梅林の家(大津市・施工:ツキデ工務店)

      ヒバの板+大判タイル+人工大理石+TOTOハーフユニット

       



      インナーテラスに向かって大きな窓が開いていて、庭の緑がきれいに見える浴室です。
      引き違い窓の中にブラインドが仕込まれています。

       



      2.日美の家(大阪狭山市・施工:中瀬古工務店)

      サワラ板+浴室用パネル+人工大理石+TOTOハーフユニット)

       



      こちらは板の手入れをご心配されていたため、天井と一面の壁だけを板張りとして、シャワーが取り付く壁は白いパネルとしています。
      こちらも窓から緑が見え、大きな鏡にも映り込み、浴室が広く感じます。

       



      3.奈良左京の家(奈良市・施工:ツキデ工務店)
      ヒノキ板+浴室用パネル+人工大理石+TOTOハーフユニット

       



      こちらはリフォームだったので窓の高さに合わせて板とパネルを切り替えています。
      以前はタイル貼りの寒い浴室だったのを、断熱を強化して見た目にも体感にも温かいお風呂になりました。

       

       



      4.福島のテラスハウス(大阪市・施工:羽根建築工房)
      サワラ板+ヒノキ板+タイル+日比野化学ハーフユニット

       



      こちらは都心の狭小住宅リフォームでしたので、浴室は1216サイズ。
      日比野化学工業だけが1216に対応可能でした。
      こちらも断熱改修とあわせ温かく気持ちよくなり、住まい手の70代のご主人は一番お風呂を気に入ってくださいました。

       

       


      玄関をすっきり見せるちょっとの工夫

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        「二人暮らしの平屋の家」の玄関。

         

        上り框や靴箱の下に、靴が入るように30センチぐらい凹ませています。

        来客時など、玄関に靴が多く並ぶ時に、わざわざ靴箱にしまわなくても、上り框の下に突っ込んでおけば何となく片付いた雰囲気に。

         

         

         

        お掃除はたまにスティック型掃除機か箒でホコリを取ればOKです。

         

         

        あと、どうしてもほしいのが引き出し。

        玄関周りに細々したものを入れる収納はぜひともほしいです。

        自転車の鍵、靴のクリーム、ペン、判子、エコバッグ、ハンカチ、ティッシュ、マスクなどなど…。

        ここは引き出しが3つもあるので、雑多なものが全部入りそうです。

        靴の収納も十分。

         

         

         

        木の手摺もあわせてデザインし、靴箱のカウンターも手摺代わりに使えます。

        ベンチはあえて固定せず自由に動かせます。

         

        あとはコート掛けがいるかどうか?

        こちらは玄関から個室が近いので、コート掛けは要らないという判断になりました。

         

        吊り戸棚も付けていません。

        歳を重ねると高い場所の収納は使いにくいものです。

        アイレベルから下をどれだけ使いやすく、気持ちよく整えるかが大事です。

         

         


        奈良左京のリフォームのビフォーアフター

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          2013年に工事をした「奈良左京の建売住宅リフォーム」の1階プランを見やすく整えたのでアップします。

           

          ビフォーアフターの写真と詳しい解説は

          (その1)玄関 http://turezure.tuki-note.com/?eid=49
          (その2)LDK http://turezure.tuki-note.com/?eid=50
          (その3)浴室・洗面 http://turezure.tuki-note.com/?eid=51

          (その4)トイレ・和室 http://turezure.tuki-note.com/?eid=52

          をご覧ください。

           

          ■奈良左京のリフォーム

           〜セカンドステージを楽しく過ごす、中古住宅リノベーション〜

           

          家でゆっくり過ごす時間が増える50〜60代の家族が、これから気持ちよく暮らしていくためのリフォームです。

          リフォームのきっかけは奥さんの、「もう少し住みやすくしたい。」という思いからでした。

           

          築5年の建売住宅を購入し、住んで13年になっていましたが、家事をする上で使い勝手が悪く、さらに冬の寒さと底冷えが厳しく、奥さんは体調が優れない日が続いていました。

          また、ご主人は家の耐震性能や断熱性能に疑問を抱かれていました。

           

          詳細調査をすると、耐震・断熱ともに不具合が多くあることが分かり、リフォームでは性能の改善を図ると同時に、暮らしやすい間取りや動線に改善しました。

          特に将来の生活を見越し、高齢になった時には1階のみでも生活ができるように、1階を重点的にリフォームしています。

           

          1300万円程度という予算でおさめるために2階のリフォームは最小限にとどめましたが、耐震・断熱・劣化対策といった性能の向上は2階もあわせて改修しています。

           

          所在地/奈良県奈良市

          構造/木造2階建て

          延床面積 /114.27 m2 (34.56坪)

           

          設計/暮らしの設計ツキノオト/船木絵里子

          構造サポート/ワークショップ/安江一平

          建築工事/螢張デ工務店

          キッチン工事/oguma

          ガラス工事/山下硝子建材

           

           

          ビフォーの図面がこちら。

          洗面とキッチンがせっかく隣にあるのに行き来できないとか、

          お庭も広いのに物干しする場所がないとか、

          玄関ホールから入ってきたお客様にキッチンの裏までいきなり丸見えになるとか、

          キッチンが無駄に広くて、いちいちだいぶ歩かないと物がとれないとか、

          1階の収納は押入と縁側の物入と階段下物入のみとか、

          きっと家事を一切しない人が書いてしまったプランなのだろうな…という感じがします。

           

           

           

          そしてリフォーム後のアフターがこちら。

           

          私は家の中をぐるぐると回遊できるプランにすることが多いのですが、

          リフォームも例外ではありません。

           

          キッチンから洗面へ直接行き来できるようにし、和室からリビングへも動線をつなげるなど、行き止まりの部屋をなくし2wayの動線や2方向避難など、動きやすい家にしています。

           

          1階で段差がなく物干しができるように、リビング南側にウッドデッキを増設しています。

          なるべく1階だけで生活できるようにプランしています。

          サービスの北デッキと物干しの南デッキと2つのデッキで、LDKのどこからでも庭を美しく眺められます。

           

          収納もチョコチョコ、必要なところに必要な大きさで追加しています。

          玄関・ホール・縁側・キッチン・リビングなど、分散して適切な収納を設けます。

           

          ちょっとしたことですが、暮らし方は大きく変わります。

           

          リフォームした時には奥さまが和室を寝室にされていましたが、あれから7年が経ち、ご主人も1階でゆっくり過ごされる時間が増えたとのこと。

          ご主人も1階で就寝できるように、また検討するタイミングも出てくるかもしれません。

          そうなると1階にもう少し収納も増やしたくなるかもしれませんね。

          暮らし方に合わせて、ゆるやかにお家も変化していけるように、これからも追い追いご相談いただければと思っています。

           

           

          玄関ホール

           

          ホールのピアノ置場

           

          ホールに増やした収納

           

          ホールから和室入口を見る

           

          和室

           

           

          ダイニングからキッチンを望む

           

           

          キッチン

           

           

          住まい手さんが食事会をしてくださいました

           

           

          リビングダイニングから南デッキを見る

           

           

          PCコーナーからダイニングを見る

           

           

          南デッキの物干し

           

           

          洗面室からキッチンを見る

           

           

          浴室

           

           

          トイレ

           

           

          ホールからトイレを見る

           

           

          正面外観

           

           


          関西ウーマンにインタビュー記事を載せていただきました。

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            縁あって、関西ウーマンというWEBマガジンに取り上げていただきました。

            関西ウーマンは、自分らしく働く女性や「私スタイル」を発信する女性たちを応援するライフスタイルマガジンだそうです。
            私がなぜ今の仕事をしてるのか、どんな考えを持っているのかなど、詳しく記事にしてくださいました。

            正直、自分では恥ずかしく感じてしまう話で、「これ、誰か興味あるか?」という気が…(^^;;

            ただ、自分としては今までを振り返り、家作りへの思いを改めて確認した、ありがたい機会となりました。

             

            また、私を以前からよく知る方たちからは

            「船木さんらしい」「自分の思考・志向・嗜好を仕事で体現してきた過程が伝わった」という感想をいただきました。

             

            よろしければお時間のある時にチラ見なさってくださいませ。

             

            https://www.kansai-woman.net/theme723.html

             

             


            緑橋のマンションリフォーム

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              今日はお恥ずかしながら、私の実家のマンションリフォームのプラン解説です。

              2011年に改修して早9年。

              低予算で苦心しましたが、木と自然素材と、使いやすい間取りの気持ちよさは十分に味わうことができ、「あのとき本当にリフォームしておいてよかった…」と感じる毎日です。

               

              AFTERの間取り

               

              ■所 在 地 : 大阪市城東区

              ■構  造 : 5階建てRC造マンションの1階住戸改修
              ■築 年 数 : 築35年(改修した2011年当時)
              ■延べ面積 :  66.39 m2 (20.08坪)  うち 改修面積 63.25 m2 (19.13坪)
              ■設  計 : 暮らしの設計ツキノオト/船木絵里子
              ■施  工 : 分離発注方式
              ・大工工事・水道工事 羽根建築工房
              ・家具工事  oguma
              ・電気工事  呉山電気
              ・サッシ工事 山下硝子建材
              ・木製建具・畳工事 小池商店
              ・塗装・左官・雑工事・材料支給 施主によるDIY
              ■工事期間 : 2011年10月末〜12月
              ■工 事 費 : 建築工事費 500万円(26万円/坪=8万円/屐法    
              ■補 助 金 : (エコポイント)-10万円

              BEFOREの間取りはこちらです。昭和50年ごろの団地の間取りとしてはごく一般的なものです。

              ■改修前の問題点
              築35年の公社分譲マンションで、70代後半の両親と暮らす実家のリフォームです。
              以前は実家に帰るのが苦痛なほど暮らしづらい家でした。

              (収納不足)
              改修のきっかけの一つは東日本大震災です。
              収納不足のマンションで大量のタンスに囲まれて暮らす実家は、大震災が来れば家具による圧死や避難の妨げが十分に有り得ました。
              マンションの建て替えや耐震診断といった住棟全体の耐震計画はハードルが高くなかなか進まないなかで、せめて個別に住戸の中だけでも安全を図るということは喫緊の課題でした。
              収納が足りないために片付かず、部屋は常に乱雑で、客を迎えられない状況も同時に改善が必要でした。

              BEFORE(タンスだらけの寝室)

              (断熱・通風・床暖房・バリアフリー)

              省エネ改修のエコポイントもリフォームの大きなきっかけでした。
              底冷えが厳しい1階住戸にも関わらずほぼ無断熱であり、冬は必須となっていたホットカーペットによる両親の転倒が心配でした。サッシは隙間風と冬場の結露がひどく、サッシ周辺にはカビなどのダメージもありました。
              一方で風が通らない間取りのため、夏は暑くて常にエアコンが必要でした。
              今回はホットカーペットをなくすために床暖房を入れ、同時につまづきやすい段差はできるだけ解消しバリアフリー化も図りました。

              (間取り・採光・天井高さ)
              さらに、長年の一番の不満は間取りです。
              昭和40〜50年代に建てられたマンションの間取りに共通することですが、南側の和室は日当たりが良いものの、中央のLDKは全く日の当たらない「アンドン部屋」でした。
              部屋は細かく区切られすぎて狭く融通が効かず、廊下も狭く生活に不都合が多く出ていました。

              BEFORE(日のあたらないアンドン部屋のリビング)

              BEFORE(転倒が怖い本棚と、床には必須のホットカーペット)

              BEFORE(狭くて物があふれて納まらない玄関・廊下・洗面)

                

              (無垢の木と珪藻土の家へ)
              リフォーム前の実家の居心地の悪さはなかなか強烈で、「片付けられない」「暗い」という2大要素にもう一つ、「ビニールクロス」「複合フローリング」といった新建材の気持ち悪さもありました。ペタペタ・ベタベタといった触り心地の悪い素材に囲まれる息苦しさ…精神衛生にも家の「素材」というのは大きく影響しているように強く感じます。

              (予算・DIY・直接工事・分離発注)
              500万円という限られた予算でできることを最大限にするために、DIYで可能な工事はできるだけ住まい手で行いました。
              また、各専門職種の工事はできるだけ分離発注をして施主と各工事が直接契約をし、大工・電気・建具といったそれぞれの工事を設計者(=施主)が調整・統括することで、経費を抑えてコストコントロールを図っています。
              (快くご協力いただいた工務店や各職種のみなさんのおかげで出来たことです。)
              システムキッチン・ユニットバス・トイレといった住設機器の更新は15年前に行っているので今回は計画からはずし、間取り・内装・温熱環境・バリアフリーの改修に絞り、予算配分しています。

              ■改修プラン
              (収納計画)
              改修前のDKと和室の間にあった押入が採光と通風を阻害していたのでこれを撤去し、玄関を狭くしていた収納も撤去して、新たにLDKの横に大きな2wayの納戸を作りました。
              戸境壁に沿って壁面に固定の収納を多く造り付け、収納量を大幅に増やしています。
              サンルームをふとん収納付きの小上りに造り替えたり、天袋を増やすなど、「隙あらば収納」を入れています。

              (採光・通風)
              既存の押入を撤去し、改修後のLDKと南側和室や座敷の間仕切りはフルオープンできる4枚引き分け障子とし、障子を閉めていても常にLDKには屋外の光が感じられる空間にしています。
              また、納戸の欄間部分はオープンにしてLDKの一部とすることで空間的な広がりも得られ、洋室の押入壁の一部も撤去し納戸とつなげることで、南北方向の通風も確保しました。
              ■改修後写真
              LDKと座敷・和室の間仕切りを4枚引き分けのワーロン障子としたため、中央のLDKも常に明るい広がりのある空間となりました。
              急な来客時や厳寒や猛暑の時には障子を閉じておいても、LDKには屋外の光が柔らかく拡散されて明るく落ち着いた空間になります。
              大きな梁と垂れ壁がRC造で撤去できなかったために、これを逆手に飾り棚として利用して見せています。
              襖は改修前のものを転用しローコストを図るだけでなく古家具とあわせて部屋を暖かい印象にしています。テーブルは栗、飾り棚はタモ、柱は杉、床板はクルミと、いろんな樹種の木を組み合わせて楽しんでいます。 
              サッシにはすべて内窓を取り付けたので気密と断熱性能は格段に向上し、窓の結露はなくなりました。
              座敷の小上がりはベンチやベッドにもなり、この下にダンパーを使った収納を造り、寝具が入れられるようになっています。
              和室は母の寝室にもなるため、いろいろと写真や小物が置けるような飾り棚も造り付けています。
              LDKにつながる納戸は、高さをぐっと抑えることで天井が一体でつながり、リビングが広く開放的に感じる効果があります。出入り口を2方向に設けて便利に収納できるようになっています。この障子も既存のものを再利用です。
              床には断熱材と床暖房を入れました。
              壁の珪藻土塗り、天井の自然塗料塗りは、下地ごしらえから全てDIYです。
              狭かった玄関と廊下と洗面は少しずつスペースを広げ、廊下の引戸を開けておけばいっそう広く感じるようにしています。靴入れだけでなく、小物入れやスリッパ入れを兼ねた飾り棚なども造り付けています。
                
              洗面は結露を防ぐために壁・天井とも珪藻土を塗りました。床にはサーモタイルを敷いています。
              父の仕事部屋兼寝室である洋室は、ベッドの奥にクッション付の背もたれ収納を造り付け、昼はソファとして使い、夜はベッドを手前に引き出して休めるようになっています。クッションの蓋を下にあけると収納になります。
              限られた予算の中での部分改修ではありますが、自然素材に包まれて父母ともに気持ちよく暮らしてくれていること、片付けやすく来客を招きやすくなったこと、それによって以前よりも和やかに過ごせるようになったことが収穫かと思います。
              私自身が「帰りたい家」になってくれてホッとしています
              リフォームした2011年には76歳だった両親も、今では85歳。介護も本格的に始まりました。
              これから更に要支援・要介護の状況に変化していくことも予想され、引き続き、介護保険の利用なども視野に入れながら、設備の更新なども順次進めていく予定です。
              ご協力いただいた皆さん、あらためてありがとうございました。

              「二人暮らしの平屋の家」の日照シミュレーション

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                「二人暮らしの平屋の家」の計画で最も気を使ったのは、敷地の高低差と日当りです。

                 

                この敷地は緩やかな斜面地で、南東が高く北西に向かって下っていく勾配になっています。

                南側と東側の隣地のほうが計画地よりも1〜2mぐらい地盤が高く、さらにその隣地に建っている建物から冬は日影が長く伸びてきます。

                 

                ↓この写真の右手の住宅が南側隣地、左手の四角い白い建物が東側隣地。

                南東側の敷地が高くなっているのが分かります。

                 

                 

                日当りのことを考えると計画敷地の地盤は高くしたい。

                しかし地盤の高さを上げすぎると、道路・アプローチから玄関までの高低差が大きくなって、階段の上り下りが多くなる。

                「日当りはいいが、道路面から上げすぎない」ちょうどいい頃合いの地盤高さを探ることになります。

                 

                また、建物の高さも高くして光を取り入れたい。

                しかし今回は平屋を希望されているので、あまりタッパを高くはできない。

                一部の天井高さを上げてハイサイド窓を設けるなどしつつ、建物全体の高さは控えめに抑えたい、という主旨で計画をスタートしました。

                 

                 

                 

                 

                大まかな配置のイメージはこの通り。
                敷地の南東角は隣地からの影が伸びてくるので、ここは庭にして建物は窪ませる。

                 

                庭の目隠しになる小さな下屋を設ける。

                 

                建物の中央部分は天井高を上げて高窓を設ける。
                そして広い敷地を生かして、居室はできるだけ南面させる。

                 

                この配置から平面と立面を固め、プランを確定し、SketchUpという日照シミュレーションソフトで日当りがうまくいくかを確認しました。

                 

                 

                 

                 

                周辺状況もあわせた模型も作りましたが、これを見ても南と東の隣棟が平屋よりもずいぶんと高いことがよく分かります。

                 

                設計仲間である水の葉設計社の中野さんに温熱アドバイザーとして、この住宅もシミュレーションしてもらい、意見を聞きながら窓の位置を確定したり、軒の出や軒の高さ、床の高さを確定しています。

                 

                 

                 

                冬至は太陽高度が低いため、建物の日影が長く伸び、その一方で窓に差し込んだ光は奥まで差し込みます。
                逆に夏至は太陽高度が高く、日影は短くなり、深い軒を出しておけば室内には日が差さないようになります。
                SketchUpは、1年を通しての日影の変化や、隣棟からの影響などをわかりやすく示してくれるソフトです。

                 

                その結果がこちら。

                 

                 
                ↑南西外観−冬至12時 

                ↑南西外観−夏至12時

                 

                 
                ↑南西鳥瞰−冬至12時   

                ↑南西鳥瞰−夏至12時

                 

                 
                ↑南東外観−冬至12時 

                ↑南東外観−夏至12時

                 

                 
                ↑南東鳥瞰−冬至12時 

                 

                ↑南東鳥瞰−夏至12時

                 

                これを見ると冬至には平屋の壁に日が当たり、夏至には平屋の壁には日が当たっていないことが分かります。

                 

                室内側から見た日の差し方も大きく変わります。

                 

                 
                ↑寝室−冬至12時

                ↑寝室−夏至12時

                 

                この寝室への日当りの違いがとても分かりやすいです。

                冬至の日差しは窓から部屋の奥まで届いています。

                 

                これらのシミュレーションを繰り返し、住まい手にも確認していただきながらプランや高さや窓を決定しています。

                 


                「二人暮らしの平屋の家」の平面プラン

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                   JUGEMテーマ:住宅

                   

                  70代のご夫婦が暮らす「二人暮らしの平屋の家」は5月末に竣工予定です。

                   

                  近所の2階建てに住んでおられるご夫妻が、これから安心して快適に暮らすため移り住まれる平屋です。

                  お近くのお子さんが遊びに来られたり、ご家族で集まったり次世代にも住み継がれることも想定しています。

                   

                  敷地面積が67坪とゆったりしているため、LDKと和室とご夫婦それぞれの寝室をすべて南面させました。

                  とにかく明るい家をとご希望で、どの季節も終日どの部屋も明るくなるようプランしています。

                  スケッチアップによる日照の検討は次の記事をご覧ください。→)

                   

                   

                   

                   

                  屋外は来客分も含め2台の駐車場が南西に、ポーチ・玄関の奥に囲まれた庭が南東にあります。

                   

                  西側道路からアプローチしやすく、かつ縁側とアプローチの植栽により寝室から車が丸見えにならず、道から寝室も見えず、しかし縁側の掃き出し窓から十分に日の光が差すということを考えています。

                   

                  敷地に高低差があることと採光・水はけの兼ね合いで、アプローチと縁側には1m程度の段差がありますが、将来ここに段差解消リフトを設置すれば万が一の車いす対応にもなりバリアフリーにも役立つ縁側になります。

                   

                   

                   

                  ↑これは南西カーポート側からの鳥瞰。

                   

                  奥の庭は道からは見えない、プライバシー保たれた落ち着いた雰囲気の庭です。

                  LDKと和室からいつでも緑が楽しめて、奥さんが植木や花や野菜作りを楽しまれる予定です。

                  ポーチの格子戸から直接、庭に入れますので、肥料や園芸の道具を運ぶのも便利です。

                   

                  玄関ホールからリビングに入ると、中央のLDKは天井高さ4mと開放感があり、ハイサイド窓から十分な光が差し込みます。

                  キッチンも同じ天井高さで、北側の高窓はリモコンで開閉できる仕組みで、夏場の温かい空気を排熱しつつ、北側の安定した光を取り入れます。

                   

                   

                   

                  ↑北西からの模型写真。北と西の壁には視線除けと防犯の縦格子が並びます。

                   

                  大屋根の棟のあたりの北側がキッチンで、上の高窓から排気します。

                  このキッチンの上に、将来的にはロフトなど設けることもできるような天井高さです。

                   

                   

                  ☆船木のプランの多くが、家事動線など人の動きがスムーズな回遊動線が多いプランになっていますが、こちらの平屋もグルグルといろんなルートを回れるおうちになっています。

                   

                  キッチン〜洗面・洗濯〜物干しデッキの動線は特に大切で、むだな遠回りをしないレイアウトです。

                  デッキは軒の深い大屋根がかかっているので突然の雨でも洗濯物は濡れません。

                   

                  デッキへ和室からもリビングからも出入りできるので、取り入れた洗濯物は和室でテレビを見ながらたたむのもよしアイロンかけるのもよし、物干しから直接、寝室の方へ取り込むにも便利です。

                   

                   

                   

                   

                  年齢を重ねると、トイレの位置はとても大切です。

                  寝室から離れていないことが一番、そしてLDKからも近く、他の場所からもスムーズに行けるのがベターです。

                  かといってLDKから直接見えるような位置も避けたいです。

                  玄関や和室といった来客を通すところの真横も避けましょう。

                  そして、寝室からトイレへは足元灯など常夜灯を設けることも大切です。

                   

                   

                  ☆和室は5.5畳とコンパクトですが、茶の間・客間・仏間とさまざまな機能を兼ねます。

                  小さくてもリビングと一体使いができ、デッキや庭とつながっているので全く狭く感じません。

                  冬はコタツを置いてくつろがれる予定です。

                  来客が泊まるときなどはリビングとの間の障子をしめれば籠る部屋としても使えます。

                   

                   

                  ☆寝室は隣り合わせの夫婦別寝室です。

                  間の壁には吸音材を入れて、互いの物音が聞こえすぎないようにしました。

                  どちらかが体調が悪い時など、隣の様子が気になる時は引戸を開ければOKです。

                   

                  それぞれの納戸やウォークインクローゼットを通り抜けられるようにしています。

                  納戸は書斎などに転用できるぐらいの広さがあります。

                   

                  縁側は、寝室から玄関やリビングへの動線にもなり、屋外と寝室との間の緩衝となるバッファーゾーンとして設けています。

                  冬は日が差しポカポカと暖かく、春秋は風が通り、夏はアプローチにグリーンカーテンを茂らせて葉陰を楽しむ空間になります。

                   

                   


                  キッチンの動線・プラン・材料について

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                    JUGEMテーマ:住宅

                     

                    中瀬古工務店のモデルハウス「日美の家」のキッチンについて

                     

                    こちらはモデルハウスとして1年程度オープンしたあと、中瀬古さんのご自邸になる家です。

                     

                    実際に暮らす家なので、水廻りも見た目だけでなく実用性を重んじて設計しています。

                     

                    キッチンは特に、使い勝手については奥さんの意見をいろいろと伺いながら、見た目のデザインは中瀬古さんの希望もお聞きして設計しました。

                     

                    施工はおなじみのogumaさんに今回もお願いし、現場で再打合せをして詳細をつめました。

                     

                     

                    キッチンの動線やプランや材料は、私には譲れない大切なポイントがいくつもあります。

                     

                      ・玄関〜パントリー〜冷蔵庫〜キッチン〜洗面〜洗濯への動線がスムーズであること。

                     

                      ・キッチンからLDへの動線もできるかぎり2wayにして遠回りしないで済むこと。

                     

                      ・キッチンにいながら家全体や家族の様子がよくわかること。

                     

                      ・キッチンから庭やテレビも見えること。

                     

                      ・自然光でも十分に明るく、窓から風も抜けること。

                     

                      ・たくさんの雑多なものが適切なところに収納できて、取り出しやすく仕舞いやすく、

                       かつ1歩から数歩で手が届くこと。

                     

                      ・ゴミ箱や雑巾など、見せたくないものが隠せる場所を用意しておくこと。

                     

                      ・住まい手の好みにあわせ、見せる収納と隠す収納を使い分けること。

                     

                      ・床にゴミが落ちやすく汚れやすいので、床材はよく打合せし調整を重ねること。

                       (掃除しやすく、かつ足触りもよく、冬は温かく、夏はべたつかない素材)

                     

                      ・水がかかるところ・湿気るところには、ベニヤや突板を使わないこと。

                       (引出しも水がかり部は無垢板にしないと、接着した面材はめくれるか膨れる)

                     

                      ・シンク用カウンターは無垢板を避け、ステンレス・人工大理石などの

                       水に強いメンテしやすい素材とすること。

                     

                     

                    「日美の家」の場合は、これらに加え、

                     

                      ・冷蔵庫が目立たず、キッチン・ダイニング・パントリーのそれぞれから

                       アクセスしやすい場所にする。

                     

                      ・キッチンと薪ストーブを近くにして、調理にもストーブを使えるようにする。

                     

                    などもこだわっています。

                     

                     

                    収納については、住まい手の生活の仕方を聞き取りながら、その方に応じて詳しく場所を決めていきます。

                     

                       家電の置き場所、炊飯器のスライド収納をつけたいか、

                     

                       根菜類・フルーツ・パン・菓子・乾物の置場所、

                     

                       ポットとお茶やコーヒーなど飲み物とカップの置き場、

                     

                       カトラリー・調味料の場所、お酒やワインの置き場

                     

                       飲み薬や筆記具の場所、料理本やメモ・書類のコーナー、タブレット置き場、

                     

                       ゴミの捨て方・分別方法・ルート・ストック場所、

                     

                       洗った牛乳パック・ペットボトル・ふきん・まな板をどこに干すか、

                     

                       大鍋・ホットプレート・ウォーターサーバー・脚立など大きな物の場所…

                     

                    おそらく家事をしない方には興味をそそられない細々としたことが、実際の生活の中ではとても大切なことになります。

                     

                    お気に入りのキッチンを作るために、ひとつひとつ想定して考えていきましょう。

                     

                     

                    「日美の家」では、床材はリノリウムにして床暖房も入れています。

                     

                    (※床板は無垢フローリングでもいいですが、床暖房を入れると隙間ができます。

                    私の家では隙間に細かいゴミが挟まって掃除がしにくいので、「日美の家」ではリノリウムをお勧めしました。)

                     

                    下段収納の引き出しはタモとナラの無垢板で、上部のみ深い色味のウォールナットにしてアクセントにしています。

                     

                    カウンタートップはステンレスのバイブレーション仕上げで、2つシンクがあります。

                     

                    アイランド側にメインのシンクを設け、洗い物はこちらで。

                     

                    IHヒーターがある背面カウンターにサブシンクも設けて、野菜やお米を洗ったり、調理用の給水はこちらを使います。

                     

                    こうすると調理に使った水が床に落ちることもありませんし、何人かでキッチンに立つときに2ヶ所シンクと給水があるととても便利です。

                     

                    壁のタイルは中瀬古さんご夫婦が選ばれた平田タイルのタロス。

                     

                    クラフト感のあるタイルで、シックながら温かみがあります。

                     

                    吊り戸棚にはダウンライトも設置し、雰囲気のあるキッチンになりました。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     


                    ツキノオト10周年を迎えました!

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                      JUGEMテーマ:住宅

                       

                      みなさん、お元気にしておられますか?

                      「暮らしの設計ツキノオト」は今日でちょうど10周年となりました。

                      時代はちょうどcoved-19の対策のさなか、住まいや暮らしについても転換期を迎えるタイミングでの10周年かもしれません。

                      個人的には家族のためにせっせと感染防止と家事をしつつ、自宅で仕事をしています。

                       

                       

                       

                      ツキノオトのこれからのビジョンや社会的な使命について、私の信念が揺らぐことはありません。

                      仕事の仕方やコミュニケーションの取り方は、社会状況にあわせ工夫する必要はあるかもしれません。

                      が、私はこれまでも住む人の目線で暮らしやすい心地よい家を目指して設計してきましたし、防災や健康や安心といったことも真摯に考えてきました。

                      その姿勢は何も変わることはないし、「住まい」に求められる要素は益々増えてきます。

                       

                      ・・・・・・・・

                       

                      災害が来ても安全で、被災時も家を出ずに暮らし続けたい。

                      家でも仕事ができるようにしたい。

                      家にいても自然を感じられて外とつながる開放的な雰囲気はほしい。

                      子供が家の中で走り回ったり思い切り遊べるようにしてほしい。

                      庭で野菜を育てて食べたい。

                      花や実を楽しむ植物もほしい。

                      家族それぞれが篭れるようなプライベート空間がほしい。

                      帰宅時にすぐに手洗い・洗濯・消毒できるようにしたい。

                      介護しやすい間取りにしてほしい。

                      日当たりがよく家の中を風が吹き抜けるような間取りにしたい。

                      来客に対応できる離れがほしい。などなど…

                       

                      ・・・・・・・・・

                       

                      かえって夢が広がるような家づくりやリフォームができる気がします。

                      自分がやるべきことと求められることは何ら変わりません。

                      これからは私の日々の暮らしの中での工夫を伝えたり、今までの設計プランのミソなど解説したり、みなさんに伝えることにも力を入れていくつもりです。

                      ちなみに写真は自宅の寝室&ワークスペースです。

                      奥の小上がりは布団収納になっており、木の蓋をあげて布団をしまい、今は奥の机で仕事をしています。

                       

                       

                      疲れたら手前の畳コーナーでラジオ体操したり、しばらく外の緑を眺めて日向ぼっこしたり…。

                      あらかじめ仕事できるスペースを作っておいて今回は役立ちました!

                       

                       

                      そして、窓から見える景色は本当に大切です。

                      ここは住宅密集地ですが1階のため窓の前は緑が広がります。
                      簡単なIKEAのブラインドで道路向かいからの視線を切れば、マンションの共用部の裏庭がまるで自分の庭のよう。。。
                      都会のSOHO・ホームオフィスにも緑の癒しは大切です。

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